中古住宅取引時に説明義務化、インスペクションとは
ホームインスペクション(住宅診断)とは、住宅に精通したホームインスペクター(住宅診断士)が、第三者的な立場からまた専門家の見地から、住宅の劣化状況、欠陥の有無、改修すべき箇所やその時期、おおよその費用などを見きわめ、アドバイスを行う専門業務です。
米国では、州によって異なりますが、取引全体の70~90%の割合でホームインスペクションが行われ、すでに常識となっています。
日本でも2018年4月から、中古住宅取引の際にホームインスペクション(住宅診断)の説明が義務化されました。つまり、宅建事業者は「中古住宅の媒介契約時、売買契約前の重要事項説明時などにおいて、建物がホームインスペクションを受けた履歴があるか?実施する意向はあるか?」を確認する必要がある、ということです。
では、実際のホームインスペクション(住宅診断)はどのようなものなのでしょうか?
それにより、どのようなことがわかるのでしょうか?
実際のホームインスペクションで行われること

実際のホームインスペクションでは、以下のような内容を調査・診断します。
- 著しい建物の傾き
- 不同沈下している可能性
- 継続していると思われる雨漏りの形跡
- 著しい施工不良の有無
- 構造耐力上主要な部分の著しい損傷
- 躯体の腐食・変形の有無
- 屋内給排水管の著しい劣化、漏水やその形跡
- 詳細な調査を行う必要のある箇所の有無
調査項目や報告書の内容は各住宅診断会社により異なり、さくら事務所の場合は以下の項目を調査・診断しております。
ホームインスペクションの調査項目(※さくら事務所の場合)
調査項目(一部) | |
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外周り | 基礎(屋外に面する部分) |
外壁仕上げ | |
屋根 | |
軒裏 | |
雨樋 | |
バルコニー(陸屋根) | |
外部に設置された金物等 | |
室内 | 壁・柱及び梁のうち屋内に面する部分 |
床 | |
天井 | |
階段 | |
開口部等(サッシ・建具) | |
床下 | 土台及び床組・束 |
基礎(戸建てのみ)/床下面 | |
天井裏 屋根裏 | 梁・桁・小屋組・野地板(下屋を含む) |
各階間の天井裏 | |
設備 | 給水設備 |
給湯設備 | |
排水設備 | |
換気設備 | |
住宅用火災警報器など | |
その他 |
※オプションの有無や戸建て・マンションかによって当日の調査項目は変わります。
具体的には、一戸建であれば、基礎や外壁などのひび割れ、建物の傾き、床下の水漏れ、シロアリの被害、屋根裏の雨漏り、換気扇など設備の動作確認などです。
所要時間は、戸建てで3時間(屋根裏・床下の詳細調査をご希望の場合はプラス1~2時間)、マンションで2時間ほどを見ておくといいでしょう。
上記の調査項目は、さらに細かいチェック項目にわかれます。例えば「基礎」であれば、ひび割れ、著しい欠損、鉄筋の露出、浮き、剥がれ、蟻道。「外壁」であれば、ひび割れ、欠損、浮き、剥がれ、チョーキング、隙間、腐食、白華などです。
さくら事務所では、合計100項目を超える独自のチェックリストを基に、建築士の資格を持った専門家が調査を行います。
ホームインスペクション当日の流れ
1.依頼主様と診断する物件で待ち合わせ
診断させていただく物件で、調査予定時刻に依頼主様と待ち合わせをします。

2.当日の流れをご説明
ご挨拶をさせていただき、当日の流れや所要時間などを簡単にご説明させていただきます。

3.住宅診断開始!
まずは外周りから診断を開始し、確認が終わると室内の診断をしていきます。


一戸建てのオプションで、床下や屋根裏調査をご希望いただいた場合は、床下の確認や屋根裏の調査をします。

4.報告書をお渡し
当日の調査内容のご説明や、ご質問などにお答えします。

当日お渡しする報告のサンプルは、下記PDFよりご覧いただけます。
欠陥住宅を購入しないために
購入前に建物のコンディションを確認し、「欠陥住宅」や「買ってはいけない住宅」を購入しないために、ホームインスペクションの活用をご検討ください。
関連リンク
・ホームインスペクション費用の相場はいくらくらい?
・ホームインスペクションのベストタイミングはいつか?
・新築でもホームインスペクションは必要か?