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[住宅購入時のチェックポイント/内覧会(竣工検査・完成検査)チェックポイント]
建売住宅の寿命は60年以上?長寿命化のコツは?

2021-03-19

建売住宅を購入するときに「建物の寿命はどれくらいもつのか?」気になる方は多いかと思います。


『建売住宅は、注文住宅と比較すると品質が劣る』といったイメージをお持ちの方も多いかもしれませんが、現在では品質も向上し、極端に寿命が短いということはなくなりました(過去にはそのようなケースがありました)。そして、今ではむしろ『建てた後の使い方によって寿命は決まる』という事が常識になりつつあります。


このあたりの背景は、購入後に後悔しないためにも事前に知っておくことが重要です。


今回は、具体的に建売住宅はどれくらいの寿命が期待できるのか?またどのように扱えば長寿命化が図れるのか?について、具体的なデータも参照しながらご紹介したいと思います。


建売住宅の寿命は最低60年程度



建売住宅にもローコスト住宅や長期優良住宅など、性能が異なる住宅がさまざまあるため一概にはいえませんが、建売住宅の寿命の目安はおおむね最低60年程度と考えられています。


ここでは、なぜ建売住宅が60年程度の寿命となるのか?いくつか根拠についてご紹介したいと思います。


住宅性能表示制度について


建売住宅の寿命を図るのに重要な指標があり、それが「住宅性能表示制度」です。

住宅性能表示制度とは、「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」に基づいてつくられた制度です。


設定された目的としては、新築住宅が持つ基本性能に共通の基準を設け、第三者が明確に評価できるようにすることが大きなものとなり、他にも購入後の品質トラブルを迅速に解決することなどがあります。この制度は大きく10項目で構成されています。


劣化対策等級によって分かる『住宅寿命』


住宅性能表示制度の10項目のうち「柱や土台などの耐久性(劣化の軽減)」という分野では、住宅劣化についての対策レベルに応じて3段階の等級を設定しており、これを「劣化対策等級」と呼びます。


「劣化対策等級」の等級に応じて柱など重要な構造躯体に使用する部材の交換を含むような大規模改修が必要な築年数などの寿命に関わる内容を知ることができ、以下はその目安となる築年数となります。


・劣化対策等級1:25~30年

・劣化対策等級2:50~60年

・劣化対策等級3:75~90年


ここで重要なのは、最近の建売住宅は『ほぼすべてが最高等級の劣化対策等級3以上』となっていることで、ことのことから一般的な建売住宅では75~90年程度の寿命はおおむね保障されるといってよいでしょう。


近年の建売住宅が数多く満たす『フラット35S(金利Bプラン)基準』


フラット35Sは、全期間固定金利型の住宅ローン「フラット35」の制度の一つであり、省エネルギー性など技術水準のレベルが一定以上の住宅を購入するときに利用することができます。


要するに、この基準を満たしている住宅は長寿命に係わる性能が高く、この基準をひとつの目安にすることで、建売住宅を効率的に選択できるようになり、購入後に後悔するようなことも減らせます。


フラット35S(金利Bプラン)」の基準は6項目あり、そのなかに「劣化対策等級3の住宅で、かつ、維持管理対策等級2以上の住宅」が含まれています。


近年の建売住宅では「フラット35S(金利Bプラン)」の基準を満たすものも多く販売されてことからも、長寿命化の傾向にあることがわかります。




建物の平均寿命について



国土交通省から、建物の平均寿命に関する興味深いデータが発表されています。このデータには、2013年に早稲田大学の小松幸夫教授によって発表された論文「建物の平均寿命実態調査」から、木造住宅における平均寿命の過去の調査結果との比較について記載があります。

この調査結果とは以下の通りです。


平均寿命の過去の調査結果と比較


このデータからもわかるように、木造住宅の平均寿命は徐々に延びていることがわかります。


 


複数検査の実施


住宅建築において複数の検査が実施されるようになったことが、品質を確保するうえで有効に働いているといえます。


まず、建築基準法に基づき行政やあるいはそれに代わる指定確認検査機関によって「中間検査」「完了検査」が実施されます。


建築の流れ


そしてこれら検査に合格することで、「中間検査合格証」や「検査済証」が交付されるなど、いわゆる「違法建築」による住宅はつくれない仕組みとなっているのです。


また、住宅会社が瑕疵担保責任保険へ加入する際には保険法人によって「基礎検査」「構造体検査」が実施されます。


基礎配筋工事_構造体検査


その他にも社内検査が独自に行われるなど複数の検査が実施されるため、一定の品質は得やすい環境にあるといえるでしょう。


ただし、地域によっては建築基準法に基づく「中間検査」は不要とされていたり、また瑕疵担保責任保険に加入しないケースもあったりする点では注意が必要です。

また、隠れて見えなくなる部分についてのチェックは難しく、第三者性の観点からリスクが潜んでいる住宅があることは知っておくとよいでしょう。


建売住宅を長寿命化するためのコツとは?


チェックポイント


建売住宅の寿命を左右する要素として非常に大きな意味を持つのは「メンテナンス」です。

建物のメンテナンスを行うことで長寿命化が図れ、一方行わなかった場合には60年という寿命は期待できないでしょう。


ちなみに建売木造住宅で必要となるメンテナンス費用をご紹介すると、おおむね以下のような目安となります。


・30年:850万円程度

・50年:1,100万円程度


メンテナンスサイクルの考え方


建物は劣化状況に応じて、部位ごとにメンテナンスをすることになりますが、一般的には15年ごとのサイクルが目安とされています。


つまり、15年・30年・45年・60年のタイミングで、必要なメンテナンスを計画的に実施することが重要になり、60年が経過する頃には、大規模なリフォームがともなうメンテナンスが必要になる可能性が高くなります。


そのときには、建て替えるのか、あるいはリフォームするのかという判断を迫られるタイミングになるでしょう。


過去には、建て替えをするかどうかの判断をするタイミングといえば30年程度を目安にすることが一般的でした。しかし、現在の住宅の性能であれば、30年程度ならリフォームをすることで住み続けることが十分可能です。とはいえ、メンテナンスを継続して実施することは必要で、そこにコストをかけることが長寿命化するうえでポイントになるでしょう。


建物の寿命を縮める原因「雨漏り」


建物にとって水分は大敵で、カビの発生や木材の腐朽につながる原因になります。

とくに気を付けておきたいのは雨漏りで、木造住宅において雨漏りが発生すると致命的なダメージを受けてしまうため十分な注意が必要です。


築30年で全体の40%が雨漏りに


さくら事務所の過去のデータから雨漏りの発生率を見てみると、築5年あたりから増え始め、30年を経過する頃には全体の40%程度に達していることが明らかとなっています。


築5年で雨漏りがあるという点は、不思議に感じる人もいるかもしれません。

これは、新築当初からすでに雨漏りがあり、5年程度を経過して表面化したと考えられるのではないでしょうか。


雨漏りは、発生してすぐに現れるとは限らず、時間をかけて表面化することは珍しくありません。そのため、気が付いたときには被害が甚大なものになっていることもあるのです。

ただし、新築時に発生する雨漏りは、完成した後に確認することは難しく、工事中のチェックが重要なポイントになります。


瑕疵担保責任の期限が切れる前の9年目が要チェックチェック


また、雨漏りについてもうひとつ重要なポイントとなるのが、瑕疵担保責任の期限が切れる前の9年目のチェックです。

瑕疵担保責任とは、欠陥や不具合が見つかった場合に売主が負わなければならない責任のことで、法律により引き渡しから10年間を保証期間として定められています。

つまり瑕疵担保責任の及ぶタイミングで雨漏りが発見できれば、売主の責任で修理してもらえるというわけです。

これが例えば11年目に発見された場合、高額な修理費用を自己負担しなくてはいけないことにもなりかねません。


ホームインスペクション(住宅診断)の活用


ホームインスペクションの活用


売住宅の寿命を縮める要素として大きいのは雨漏りですが、購入後に発覚した場合は後悔してしまうことは間違いないでしょう。


雨漏りなどの欠陥が潜んでいることを事前に知るためにも、購入前にホームインスペクション(住宅診断)を実施し、徹底的に調査することをおすすめいたします。

また、瑕疵担保責任の保証期間を過ぎてしまう前の9年目についても、ホームインスペクション(住宅診断)は効果的です。

とくに雨漏りの発見は、築後10年を経過する前と後では意味が大きく変わります。

節目の10年が経過する前に、ホームインスペクションの実施を検討してみてはいかがでしょうか。

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